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マインドコントロールの概要

元々マインドコントロールという言葉は、「潜在能力を引き出すためのトレーニング法」という自己啓発的でポジティブな意味合いで使われていた。マインドコントロールには、学校や教育、様々なトレーニングで使われる人の認知行動原理と同じ技術が用いられる。自らの心を平静に保ったり、集中力を高めるなど、心理状態を制御・調整する意味で、この言葉が使われることもある。そのため、良いマインドコントロールと悪いマインドコントロールがあるという考え方もあるが、一般的には、「破壊的カルト」等のように何らかの詐術的な意味、他者を騙す性格を持ったものをマインドコントロール、本人に役立つ心理学の応用をセルフコントロールと言う。本項では前者について説明する。

マインドコントロール論では、支配された人の意識状態は、普段の正常な意識とはかけ離れたものになるとされる。(1) 破壊的カルト教団による信者の利用、(2) 社会心理学的技術の応用、(2) 他律的行動支配 の3つが一般定義である。人格の「解凍・変革・再凍結」の理論をベースに、認知不協和理論や影響力論、ジャック・ヴァーノンの感覚遮断実験、フィリップ・ジンバルドーの監獄実験、プライミング効果論などの社会心理学的テクニックを活用して行われるとされる。宗教的自我変容を最も世俗的理解に立って説明したモデルであり、世間に広く知られている。

社会心理学の「社会的影響力の行使、説得」という分野においては、不法行為責任を追及するために相当因果関係を説明する議論として、かなり議論が確立されており、若者の消費者被害を心理的要因から分析する等、近年も活用されている。社会心理学者の西田公昭以外にマインドコントロール論を専攻する者がいないなど、専門の研究者は少ない。近年目立った議論の発展がなく、理論面・実践面から様々な疑問や批判が向けられている。宗教研究の分野では、国内外でも懐疑的な見方が少なくない。心理学・精神医学では、マインドコントロールという分析概念は未だに公認されていない。

なお、マインドコントロール論への批判を、カルト側が自らの問題を擁護し正当化するために利用することがあり、注意を要する。マインドコントロール論の議論と、マインドコントロールと社会で批判されるような宗教団体による社会問題の有無は、別の次元の話である。

 

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